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目 次 【0001】 【産業上の利用分野】 【0002】 【従来の技術】 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 【課題を解決するための手段】 【0005】 【作用】 【0006】 【実施例】 【0007】 【発明の効果】 【書類名】 明 細 書
【発明の名称】 トロイダル磁気モーターの駆動原理
【特許請求の範囲】 【請求項1】 電力を使用せず永久磁石の磁力のみで動作するモーターの原理。
【発明の詳細な説明】 この発明は、電磁石を用いずに永久磁石の組み合わせだけで駆動する回転モーターならびにリニアモーターの原理に関するものである。
従来のモーターは、電気エネルギーを運動エネルギーに変換する変換器であり、電磁石に流れる電流をコントロールすることによる磁場の変化をモーターの駆動力としている。従って必ず電力を必要とする。
これに対して、以下のように永久磁石を組み合わせて用いることにより、永久磁石の磁力をモーターの駆動力に直接変換し、電力を必要としないモーターを作成することができる。
回転軸(3)側から見て、右回りまたは左回りに一様に磁化された継ぎ目のない永久磁石リング(1)を用意し、永久磁石のローター(2)をリング(1)の近傍に位置するように支柱(4)を介して回転軸(3)に固定する。 このとき、ローター(2)の永久磁石の磁極の向きはリング(1)の法線方向あるいは求心方向を向いていなければならない。 以降の説明にあたり、回転モーターを2種類に分類し、ローター(2)がリング(1)の内側にあるモーターを内転モーターと呼び、逆にローター(2)がリング(1)の外側にあるモーターを外転モーターと呼ぶことにする。どちらの場合もリング(1)は固定してローター(2)を回転させると考える。 また永久磁石リング(1)が上記のように磁化された状態をトロイダルと形容することとする。
永久磁石リング(1)はリング状に連なった磁気モーメントM1 の小磁石の集合体であり、永久磁石ローター(2)は磁気モーメントM2 の一つの小磁石とみなすと、一つの小磁石M1からM2へ働く力は【図2】の様になり
と表わせる。(詳解 電磁気学演習:共立出版 ISBN4-320-03022-2 問題〔4〕193ページ 参照) ここで、【図3】のM1とM2との中心間の距離rは、リング(1)の半径をR0とし、M2とM3の中心間の距離をr0とすると
であり、M1とM2の中心を結ぶ直線とY軸との成す角度をψとすると、θ1とθ2はそれぞれ
となり、【図3】におけるFrとFθが求まる。 こうして求めたFr、Fθを以下の変換式を使ってX軸、Y軸方向の成分Fx、Fyに変換すると、
このY軸成分Fy がローター(2)の駆動力となる事が分かる。 この駆動力Fyを
とおいてグラフ化したものが【図4】の実線で表されるが、これは一つのM1からM2へ働く力であるため、これを回転軸(3)の全周にわたって積分したものがローター(2)に加わる最終的な駆動力(【図4】の点線)となる。このグラフから、Y軸方向の積分値は(グラフ上ではθ=0.5の所で)正の値を示しており、ローター(2)はY軸の正の方向へ回り続けることが判る。
次に、外転モーターについて【図5】の原理図から同様に計算すると、
から【図6】のグラフとなり、内転モーターに比べ駆動力は大変弱くなるもののローター(2)はY軸の負の方向へ回ることが判る。
またこの回転モーターは、リング(1)を一カ所で切断し、まっすぐ伸ばす事によってリニアモーターとなることが予想され、上記と同様に【図7】の原理図から駆動力を計算すると
より【図8】のグラフとなる。これも駆動力は内転モーターより小さくなるものの、ローター(2)がY軸の負の方向に直進し続けるリニアモーターが作成できる。
以上のように、本モーターは磁気エネルギーを直接運動エネルギーに変換することができるエネルギー変換器であるため、モーター本来の働きの他に、非常に安全でクリーン、しかも長期間の安定供給可能なエネルギー源の一つとして、あらゆる分野で活用されることが期待できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 内転モーターの斜視図である。 【図2】 本発明の基本原理図である。 【図3】 内転モーターの原理図である。 【図4】 内転モーターの駆動力グラフである。 【図5】 外転モーターの原理図である。 【図6】 外転モーターの駆動力グラフである。 【図7】 リニアモーターの原理図である。 【図8】 リニアモーターの駆動力グラフである。
1 永久磁石リング 2 永久磁石ローター 3 回転軸 4 支柱 |